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おひとりさまには必須!「任意後見契約」


おひとりさまが終活で一番最初にしなければならないこと。
それは任意後見契約を結ぶこと。
と私は提案しています。





おひとりさまはいざという時に困る

ひとつ前の記事でも書きましたが、おひとりさまがまず考えなくてはならないのは突発的な事故がおきたり病気になってしまったときはもとより、寝たきり・認知症になってしまったときの対策です。
特に認知症対策はおひとりさまにとって、最大の難関といってよいでしょう。
認知症にたいして講じておく策の第一は任意後見契約を交わしておくことです。





任意後見とは





任意後見とは、成年後見制度のひとつの類型です。
自分が元気で判断力が清明であるうちに、認知症になったり判断力が低下してきたときに備えて、自分の代わりにお金の管理をしたり各種の契約してくれる人を選んでおくことです。
まず「成年後見制度とはなにか」ということろから説明しましょう。





「成年後見制度」はどんな制度か





成年後見制度とは、認知症や精神障害によって判断能力を失ってしまった人を対象とした制度です。

判断能力が不十分な人は、自分の財産を管理したり、生活を送るための介護サービスや施設入所のための契約を結んだりすることが難しいことがあります。また、自分に不利益な契約であった場合にもそれがわからなかったり、悪徳商法に引っかかってしまうことも考えられます。このような判断能力が不十分な人を保護し、支援するのが成年後見制度です。お世話される人を「被後見人」、お世話する人を「後見人」と呼びます。

成年後見制度は「法定後見」と「任意後見」のふたつに分別されます。

ですが私は法定後見はおススメしませんし、法定後見人をつけるような事態になることは避けてほしいと思っています。
なぜならば法定後見はコストがかかる上にとても不自由な制度だからです。






法定後見をおススメしない理由

「法定後見」はすでに判断能力を失ってしまった人が使う制度です。
「私の代わりに財産を管理したり契約を行う人を選んでください」と家庭裁判所に申し出ることから、後見人を選ぶことは始まります。
「私の代わりに」と書きましたが、家庭裁判所に申し出ることができるのは本人と配偶者、四親等内の親族、そして検察と市町村長です。「気持ちの上でおひとりさま」はご自身や子、きょうだいや甥・姪が申し立ててくれるかもしれません。そうなると申し立てのための書類などを書いてもらい、手数料なども立て替えてもらうことになります。「手を煩わせたくない」「迷惑をかけたくない」と考えているおひとりさまのお気持ちとは反することになるのではないかと思います。「真正おひとりさま」の場合は検察か市町村長になります。

そして後見人は家庭裁判所が選びます。最近は親族よりも士業(弁護士や司法書士、行政書士)が選ばれる傾向が強く、選ばれた後見人を「代えてほしい」と申し出ることもできません。また後見をやめることも原則できません。やめられるのは後見人が必要なくなったとき。すなわち認知症が治ったときです。可能性は低いですね。
会ったことも話したこともない人に、財産と身の回りのお世話を生涯任せることになるのです。なかなかハードルが高いと思いませんか?

また士業が後見人になった場合、後見報酬が発生します。被後見人の財産の額にもよりますが月額二~三万円からです(「平成30年成年後見制度の現状」より)。それが被後見人が亡くなるまでずっと続きます。判断能力がなくなってからどれくらいで亡くなるかはわかりませんが、数年から十数年はあると思います。経済的にもなかなかの負担ですね。

そのうえ後見人が被後見人の財産を処分するときには、家庭裁判所にお伺いを立てなければなりません。例えば施設入所などの際、自宅を売却し、その代金を充てようと考えていた場合、家庭裁判所が許可を出すまで売れません。後見人の行動も家庭裁判所によって制限されているのです。





法定後見をおススメしない理由まとめ





①申し立てで誰かの手を煩わせてしまう
②見知らぬ誰かが財産の管理と身の回りのお世話をすることになる
③報酬が発生し、コストが高い
④家庭裁判所が判断をするので、迅速に財産の処分ができない

では任意後見はどうなの?ということが気になります。






任意後見だとどうなる?

任意後見では、判断能力があるときに自分で後見人を選ぶことができます。自分が信頼する人、親族でも友人でも誰でも、引き受けてくれれば誰でも選ぶことができます。報酬も本人と後見人になってくれる人とで話し合いで決めることができ、もちろん、無報酬というともできます。

任意後見は判断能力が減退したときのための、いうなれば「転ばぬ先の杖」です。認知症にかからず判断能力がしっかりしたままであれば発効せず、そうなれば報酬を定めた場合でも当然報酬は発生しません。
また、判断能力があれば契約を破棄することもできます。
契約の中身も自由に決められ、家庭裁判所が口を出すこともなく、後見人は比較的自由に動くことができます。

ですが全くコストがかからないか、完全に自由か。
というとそうではありません。
まず、任意後見契約書は公正証書で作成することが求められるので、公証役場に支払う費用が掛かります。この費用がだいたい15000円くらいです。そしてその契約書の作成を士業に依頼した場合、その報酬が別途かかります。が、法定後見の後見報酬の1年分で十分おつりがくる額です。

また被後見人が判断能力を喪失し任意後見が始まれば、任意後見監督人という人が家庭裁判所から選任されてつきます。任意後見人はこの監督人に報告書などを出さなければなりません。また監督人には報酬が発生し、この報酬は被後見人の負担となります。ですが法定後見人に支払う報酬よりも安く、コストは軽くて済みます。

任意後見は法定後見に比べて
①自分で選べる。後見人も、お世話の内容も
②コストが軽くて済む
③家庭裁判所にお伺いを立てることが、まずない

という点で「自由度が高く、総じて利用しやすい」といえるでしょう。





まとめ

自分の人生の終末期を自分でクリエイトしたいと考えるおひとりさまには、任意後見制度の活用を強くおススメします。最悪なのは何の手も打たず流されるまま法定後見人がつき、希望していたお世話をしてもらえず、それなのに無駄にコストがかかってしまうことです。





今日が人生で一番若い日です。
一緒に終活のゴールを目指してスタートしましょう。


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